• majam35ファブリックアートの世界

オツベルと象

最終更新: 2020年3月16日



オツべルと象を初めて読んだ時不思議な世界観に惹きつけられました。

子供の頃の私は宮澤賢治の神秘的な話を何故か受け入れられず

少し意味のわからない絵本のように感じていました。


独特な言い回しなど、わからないことが多く

イソップ話のようには簡単に頭で整理することができませんでした。


けれど大人になって読み返してみると、その世界観にただ驚きました。

仏教信仰が強く、物語の中に巧みに含まれていること

農業などの確かな知識から書かれた表現

また、独創的な感性。


それは誰にでも与えられたものではない才能だと思いました。


オツベルと象は現代社会の中にあるブラックな雇用を絵本で表現している

内容のように大人になった私は感じました。


雇う側と雇われる側、

抜け出すことのできない繰り返される労働

心が悲鳴をあげても抜け出すことができない空間


最初は疑うことなく雇用主の期待に応える象が

だんだんと過度な労働に疲弊していく様子が

心を潰される重苦しい何かに包まれます。


これは大人になり、労働とは何か?を理解することができた

からこそ、感じ取れるものだと思いました。


最後は

ああありがとう、本当に僕は助かったよ

このセリフに全てが含まれていますが

それが単純なハッピーエンドではなく

人間社会で感じる労働への様々な思いが残るものでした。



雇用とは資本家とは


一部の富のある人々に左右されている私達の現代生活にも

賢治の生きる時代となんら変わることのない

闇を感じずにはいられません。










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